OpenSimやセカンドライフでのものづくりにBlenderを活用したいと考えている人はきっと多いと思います。
でも(この記事を読まれてる方もたぶんそうかもしれませんが)多くはいまひとつ踏み出せないでいるんじゃないでしょうか? ひとつにはそれはLinux環境で生まれた3DソフトであるBlenderの独自性のためもあるかもしれません。
とにかくBlenderの操作方法(UI=ユーザーインターフェース)は他の3Dソフトとかなり違っていますよね。「
オブジェクトの選択をマウス右クリックでする」なんていうのがその典型例^^。
わたしもむかしLinuxに標準で入っているBlenderを立ち上げ(Shadeに慣れていたせいもあって)そのユーザーインターフェースに出鼻をくじかれて、そっとウインドウを閉じた覚えがあります^^;
でもそうしたものは何度も使っていればじきに慣れるものですし、こんな高性能の3Dソフトをしかも無料で使えるのですから多少とっつきにくくても挑戦する価値は大いにあると思います。
さて前おきはこれぐらいにして、なによりもまずBlender本体を入手するところからいきましょう^^
と言ったところで、じつはひとつ明確にしておかないといけない点があります。
Blenderの最新バージョンはこの記事を書いている時点では
2.65aです。(
http://www.blender.org/download/get-blender/)
そしてふつうにBlenderを利用するのであればもちろんこの最新版を使うにこしたことはありません。
でももしあなたがOpenSimやセカンドライフで「
スカルプテッド・プリム」(*)をつくるためにBlenderを利用するつもりなら、最新版では少し問題があるんです。
もともとblenderは
Pythonというスクリプト言語で書かれたアプリケーションです。このおかげでBlenderを(もともとの生まれ育ちである)Linux以外のOSに移植することが簡単にできます。またユーザーのなかの志ある人たちがこれをより便利に使えるようにするためのプラグインを作ることも(C言語などにくらべたら)ずっと楽にできるわけです。
そしてそのなかに「スカルプテッド・プリム」を制作するのを非常に簡単にしてくれる「
Primstar」というプラグインがあります。
ところがBlenderはバージョン
2.5をはさんで自身のスクリプトを大幅に書き改めました。そのため以前のプラグインがそのままでは使えなくなってしまっているのです。
Primstarに関してはそれに対応した「
2」バージョンが制作されました。しかし残念なことにこれは有料になってしまいました^^;(価格は下のページにあります。ごらんのとおりけっこうするんですよね^^;)
http://blog.machinimatrix.org/primstar-2/
またこれに限らず、
ネット上にある
「スカルプ」関連のBlender情報はほとんどが旧バージョンで説明されているんです。(これはメッシュ対応のビューアーが使われるようになったためもあるでしょう。「スカルプ」は過去のスキルになりつつある、というのは正直間違いのないところです。ただいまだにメッシュ未対応のビューアーを使っている人は少なからずいて、この人たちにはメッシュのオブジェクトは見ることができません。またメッシュはアップ代がかかるので必然的に価格が高くなる傾向があります。その意味で「スカルプ」にはーー現時点では--まだまだ存在理由はあると思います)
(*注: もし「スカルプテッド(スカルプ、スカルプト)」が何かわからないという人は以下のサイトを読んでみてください。
http://wiki.secondlife.com/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89_%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%A0
)
というわけで、ここではあえて以前の無料のPrimstarが使えるBlenderのバージョン
2.49bを使って以後の説明することにします。(「わたしはメッシュ以外関心がない、」という方はしたがってこの記事はこれ以降読まれる必要はありません^^;)
以上のことを理解したうえで、とりあえず下のページを開いてみてください。
http://www.blender.org/development/release-logs/blender-249/
右の「
Download24.9b」をクリック。開いたページに並んでいるアーカイブのなかからあなたの環境にあったものを選んでください。
通常Windowsの場合は
blender-2.49b-windows.exeがいいでしょう。(拡張子
.exeのついたものはインストーラーですから立ち上がったウイザードの言うとおりにすすめていけば大丈夫です。いっぽう
.zipは圧縮ファイルですから例えば複数のべつのバージョンのBlenderをそれぞれ適当な場所に保存して使い分けたりするときにむいています)
ダウンロード、インストールに関して特に難しい部分はないと思います。
ただひとつだけ--
どこにBlenderがインストールされたか、その場所は覚えておいてください。
たぶん通常ならWindowsの場合
Windows(C:)>Program FIles>Blender Foundation>blender-2.49b-windows
といった具合にフォルダが作られているはずです。
このblender-2.49b-windowsのフォルダのなかに
「.blender」という名前のサブフォルダがあるかどうかを確認しておいてください。
もし(インストールが正常に終了したにもかかわらず)それが見つからないとしたら、あなたの環境設定がそうした「.」ではじまる「
隠しファイル」を見られないようにしている可能性があります。そのときは以下のサイトなどを参考にしてそれが見られるようにしてください。
http://support.microsoft.com/kb/2453311/ja
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Blenderが無事インストールできたでしょうか?
たぶんあれこれいじりたくなるでしょうし、それはそれでおおいに結構なことですけど、いまはつぎに進みたいと思います。(簡単なBlenderの操作方法はページを改めて触れる予定です^^)
上で説明した
Primstarを入手します。
以下のページを開いてください。
http://www.dominodesigns.info/node/232
赤い丸印のあるリンクをクリックして
ZIP圧縮ファイルをダウンロードしてください。
解凍するソフトをお持ちですか? なければ何かひとつ手にいれておいてもいいと思います。例えばわたしはALZipを使ってます。(べつにまわしものじゃないですよ^^ お好きなものをどうぞ!)
http://www.altools.jp/product/alzip/intro.aspx
選んだ解凍先を見ると
primstar_1.0.0…といったフォルダが新しくできているはずです。で、それを開くと
primstar (フォルダ)
gpl-2.0.txt
install.py
primstar.svg
reamme.txt
中身はこうなっています。
正式な順序としてはいちばん下にある
readme.txtをまっさきに読むべきでしょうね。ただし英語で書かれていて、しかもコマンドを使ったややこしいやり方でのインストールの解説になっています。
英語は大好きコマンドウインドウはお手の物というツワモノの方はどうぞこの説明のとおりやってください。
それ以外の人,つまりわたしのお仲間は--いちばん上にある
primstarという名前のフォルダをマウスでぐっとつかんで(さきほどの説明にあった)blender-2.49b-windowsの「
.blender」というフォルダのなかにある「
script」というサブフォルダの中にドラッグ・ドロップして移動してください。
乱暴なようですが、これで(のちのち)すべてうまく動くはずです。^^
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Blenderを立ち上げてみて画面の上のメニューのなかの
Addから
Meshのサブメニューをクリックしてみてください。
上のように「
Sculpt Mesh」という項目があったらprimstarのインストールはうまくいっています。
しかしほんとうに「すべてうまく動く」かどうか、となるとまだチェックしなければならない箇所が残ってます。
前にBlenderは
Pythonというスクリプト言語で書かれていると言いました。このPythonにもじつはバージョンがあって、それがもともとの
2.49bが書かれたときのバージョンとあっていないと動作がおかしくなることがあるのです。
いまの場合そのバージョンは「
2.6」です。もしもあなたのPCにPythonスクリプトがインストールされていて、なおかつそれが2.6であるなら特にインストール作業は必要ありません。
そうでないなら以下のサイトから
http://www.python.org/download/releases/2.6.6/
Windows x86 MSI Installer (2.6.6) をダウンロードしてください。(インストーラーでなくてよいのなら
2.6.8を選んでもいいでしょう。またWindowsでない場合はほかの適当なファイルをそれぞれ選択してください)
インストーラーを選択した場合はウイザードの指示のとおり実行していけば問題なくインストールができ、ハードディスク「
C:」直下に
Python26という名前のフォルダが新しくできているはずです。
つぎにBlenderとPythonを関係づけなければなりません。(ほんと世話がやけます^^;)
このために「
パスを通す」という作業が必要になります。
ちょっと複雑なのでゆっくりSSで表示しながらやりましょう。
まずBlenderを立ち上げるとたぶんこんな画面になっているはずです。
いちばん上のメニューが並んだ枠とその下の画面のちょうど中間ぐらいにマウスカーソルを移動します。
そうするとカーソルがこんな形にかわります。
左クリックしてそのまま下へずーっとひっぱってきます。
そうすると新しい画面がでてきます。
この画面は「
User Preference画面」とよばれます。
▲1並んでいるタブのなかでいちばん右端の「
File Paths」をクリック反転します。
開いた画面のなかに「
Python Scripts」という項目があります。
▲2この右端の
フォルダのアイコンをクリックしてください。
すぐ下の画面が「
File Browser」にかわります。
Python26のフォルダはC:の直下にあるので開いた画面のなかに見つかるはずです。
それをクリックして開いた画面のなかのサブフォルダの
Libを再度クリックで選択してください。
赤丸で囲った部分が「
C:\Python26\Lib」(「\」は「逆スラッシュ」)であることを確認して「
SELECT SCRIPT PATH」のボタンで決定します。
さきほどの画面の
Python Scriptsの項目に同じく「
C:\Python26\Lib」とはいっていればOKです。
最後に忘れずに「
File」から「
Save Default Settings」を選んでクリックしてください。
これでこの設定がBlenderに記憶されてつぎに立ち上げたときも反映されます。
以上でひととおりBlenderのインストールとスカルプ制作の準備は完了です。
「OpenSimのためのBlender初歩その2」へ続く