2013年02月21日
OpenSimのためのBlender初歩その2
「OpenSimのためのBlender初歩」からの続き--
前回はスカルプテッド・プリム制作のためのBlenderやプラグインをインストールしました。
今回ははじめて使ってみる人にむけての初期設定と簡単な使い方を解説してみたいと思います。
以下あくまで「OpenSimあるいはセカンドライフにスカルプをアップする」という目的のための必要最低限の操作の説明です^^;
(ひととおり知らなきゃ気がすまない!という骨のある方はどうぞ他の「Blender入門サイト」(例えば藤堂+さんのページ http://wbs.nsf.tc/tutorial/tutorial_blender.html )などを参照して勉強なさってくださいね^^)
まずはじめてBlenderを立ち上げるとたぶん下のような画面が開くと思います。
ほんと愛想もなにもないですね。例のごとく質実剛健はLinuxの家風です^^;
上部の濃いグレーの升目部分は「3D画面」と呼ばれる画面です。その真ん中にある四角形は3D空間の座標原点に置かれた立方体をこちら側から(じつは「上方」からですが)まっすぐ(正射影で)見たもの、と理解してください。
さて、なにより最初にこの「3D画面」には「オブジェクト・モード(Object Mode)」と「エディット・モード(Edit Mode)」というふたつの画面モードがあることをおぼえてください。
(Blenderではしばしば複数のオブジェクトを取り扱うことがあります。通常それらのオブジェクトは「オブジェクト・モード」で呼び出して移動配置し、おのおのの形状を編集するときは「エディット・モード」で行う--というのが正しい作法です。
でもいまここで説明しているスカルプを制作する方法では複数のオブジェクトをあつかうことはありません。ですからいきなり「エディット・モード」で呼び出してもとくに問題はないと思います。)
オブジェクトの編集をするためには「エディット・モード(Edit Mode)」でやらなければいけません。その切り替えはここの部分です。(ほかの「モード」はこの際無視してください^^)
カーソルが白い十字になります。そして画面真ん中にある緑色と赤の矢印がでている四角の四辺が黄色くかわったはずです。さらに角に小さな黄色い点が現れたのに気づいてる人もいるかな?
(ちなみにこの黄色い「辺」はBlenderでは「Edge」と呼ばれ黄色い「小さな点(頂点)」は「Vertex」と呼ばれます。またEdgeで囲まれた「面」そのものは「Face」です。(*))
じつはこの四角はスカルプ制作にはまったく関係ない「邪魔もの」なんです。
だから削除してしまいます。
そのためにはキーボードで「X」キーを押してください。
(みなさんはじめて経験されましたね? これがBlender名物の「ショートカット」です^^; Blenderでは「ショートカット」がこれでもか、というぐらいたくさん使われます^^)
オブジェクト(あるいはその選択された部分)を消したいときはこの「X」キーを使います。
するとこんなサブメニューがでるはずです。いちばん上の「Vertices」という項目をクリックしてみてください。(Vertices=Vertexの複数形^^)
中央の四角が消えました。以後この四角を使うことはたぶんないと思うので、これをユーザーのデフォルト状態にするために前回やったように「File」から「User Default Settings」を選択しておくといいでしょう^^
スタートの設定としてはこれで十分ですが、ついでに「ワイヤーフレーム」での表示への切り替えのやり方を書いておきたいと思います。
Blenderの初期状態では3D画面は「ソリッド」というふつうに表面が表示された設定になっています。ワイヤーフレームにするとこれが(初期のCGでよく見られた)あの針金細工のような向こう側まで透けて見られる表示になります。
で、両者は一長一短あって--形状を編集するとき手前の頂点と背後の頂点などを同時に選択したりするのにワイヤーフレームのほうがやりやすいいっぽうで、オブジェクトの外形を直感的に把握して確認するときはソリッドのほうがわかりやすくなります。(ワイヤーフレームの立方体はしばしば上から見てるのか下から見てるのかわからなくなりますよね?)
わたしたちの「Blender勉強会」ではみなさんワイヤーフレーム設定でやっていただいていますので、ここでは勉強会のページとSSの表示を整合させるためにも切り替えのやり方を説明しておきます。
さきほど「Edit Mode」への切り替えをしたすぐ右隣の「各面から角が生えた立方体」の描かれたアイコンをクリック。開いた(「Draw Type」)メニューで「Solid」だったのを「WireFrame」に切り替えてください。アイコンが「同じ形で色のぬけた立方体」にかわるはずです。
これで3D画面はワイヤーフレーム表示になりました。
ちょっと煩雑だったかも知れませんが、ここまででBlenderによるスカルプ制作の準備は完了です^^;
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(*)注: Blenderの初期設定でつい「日本語化」をしたくなるんですけど、これはあんまりお薦めはしません。というよりもうすこし積極的に「やめておいたほうが無難です」。
理由として第一に日本語化は下手をするとボタンになにも表示できなくなる「とうふ状態」(^^)
のトラブルを生じかねません。(勉強会のスタッフにもこのトラブルにみまわれた方いました)
第二にこのブログをふくめて多くの解説サイト(海外のものはもちろん)では画面を含めた説明でBlenderを英語表記そのまま使ってることが多いです。そのため参考にしたくても呼び名がちがってることでわけがわからなくなる(検索にひっかからなくなる)可能性もあります。
第三に「日本語化」というのがもともと不完全であるしBlenderをふくめて3Dのアプリケーションに使われる用語が通常のアプリケーションに使われるものとかなり違って特殊なので「日本語化」してもあまり意味がない場合が多いということもあります(「Occlude Background Geometry」を「バックグラウンド・ジオメトリの閉塞」と呼び変えて何かがよりよくわかるようになったと思えるでしょうか?)
以上の理由から、ことBlenderに関しては「英語表記」(と「ショートカット」)はそのまま受け入れるのが、(もとちゃ的には、)賢明じゃないかな?と考えています。
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それではこの初期設定した画面でいよいよBlenderの操作方法をやってみましょう。^^
まず最初にスカルプテッドプリムの基本形状を呼び出します。
3D画面の上のメニュー(じつはこれは「3D画面」ではなく「User Preference画面」のほうのヘッダーのメニューなんですが^^)から「Add」を選んでクリックします。
さらに開いたメニューのなかから「Mesh」を選びます。前回やったPrimstarのインストールがうまくいっていればこのサブメニューのなかに「Sculpt Mesh」というのがあるはずです。
それをクリックすると新しくウインドウが開きます。
デフォルトで「Sphere」とかかれているボタンがありますね。
この「Sphere」ボタンを押してみましょう。
さらに新しいサブメニューウインドウが開いてCylinder, Hemi, Plane,Sphere……というふうに各種の図形の名前がならんでいるはずです。
選択すると「Sphere」であったボタンの名前がそれぞれの形状のものにかわります。
そうしたら「Build」のボタンを押してみてください。
3D画面に選んだ形状が現れるはずです。
それぞれの形状がどんなものかは各自試してみてください。
これらの形状はこのままでスカルプテッド・オブジェクトとして出力することができます。
これらを3D画面で適当に変形していくことによって望んだ形状を作り上げていく、というのが今回勉強会でとりあげていくスカルプ制作方法です。
それってどうやるのか?がいちばん聞きたいところですよね^^
うんうん、でも具体的な形状の編集方法については長くなるのでページをあらためて説明させていただきますねっ^^
(「See You Next!」 ひっぱるねー^^)
「OpenSimのためのBlender初歩その3」へ続く
Posted by もとちゃ at 17:15│Comments(0)
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