2012年03月12日
猿でもわかるLINUX!(その2)
さてLinuxが使いにくいと言われるのは単にコマンド入力で作業しなければならない制約からくるだけではありません。
たとえGUIで操作していても使いづらいと感じることはあります。それはもともとUNIXのながれをくむLinux対応ソフトの操作の仕方がWindowsやMacと比べて独特なものが多いためです。(ほらBlenderやGIMPはマウスで操作していても慣れないと使いずらいですよね?^^)
それは標準エディター、「vi」でもいえる事です。
たとえばWindowsのメモ帳に慣れてる人が最初に「vi」を開くといったい何をどうしたらいいのかわからないで途方にくれてしまうでしょう。
確かにviエディターの操作は独特です。でもOSの操作といっしょで慣れれば使いにくくなんかないですし(むしろホームポジションから指を離さずにすべてキー操作だけで操作できるのでマウスより使いやすく感じるほどです^^)覚える必要のある命令だってごくごくわずかです。
ある書類を編集したいと思ったとき--たとえばOpenSimの設定書類であるRegions.iniを編集したいと思ったとき--には、つぎのように命令します。
(ここでは仮にOpenSimをディレクトリ「/usr/local」以下にインストール、展開したとして説明しましょう。
すでにご存知かもしれませんが「Regions.ini」というファイルはデフォールトではbin/Regionsには存在しません。
でも「vi Regions.ini」と命令するとその名前で仮に書類として編集ができるようになります。)
vi /usr/local/opensim/bin/Regions/Regions.ini
「vi」がエディターを立ちあげるコマンドで、あとの部分が編集する書類--GUIでのようにいちいち書類の場所まで行くかわりに、こうやってディレクトリの入れ子表現をずらずらっと名前の前に並べて書きます--です。
最初に下のような画面がひらきます。

一番下に書類の名前がでていて[New File]とあるはずです。
空白の行を見るといきなり文字をいれたくなりますけど、残念ながらこのままでは文字入力はできません。
viエディターは立ち上げた状態では「コマンド・モード」になっているからです。
「コマンド・モード」はすでに作られている書類の修正−−すでに書かれている文のコピーやペースト、削除、置換、移動、そして書類そのものの保存などを行うためのモードです。
文字を書くためには「入力モード」に移行する必要があります。
そのためにはキーボードから「a」とだけ入れます。

すると下に「INSERT」と表示され、カーソルが点滅して文字を書き込むことができるようになります。
文字入力は基本的にメモ帳に書くようにごく普通の入力操作でやります。(注)
書類を作り終わったら、ふたたび「コマンド・モード」にかわります。

そのためには「Esc」キーを押してください。

「コマンド・モード」で書類を保存するために「:」を押します。カーソルが最下段に飛んでコマンド待ちになります。

「w」を押していま制作した書類を保存してください。ついで「q」を押すとエディターは終了します。

「w」と「q」をべつべつに入れるかわりに「wq」としてもだいじょうぶです。
【注】削除はBackSpaceやDelキーではできないかもしれません。
ターミナルにはLinuxのディストリビューションパッケージとの相性がどうやらあるみたいです。わたしの経験ではDTIで標準のCentOSの場合「入力モード」でも矢印キーでカーソルを移動しBackSpaceやDelキーで削除することもできました。ところが「さくら」にubuntuの場合「入力モード」ではこれらが働きません。
こういう場合はまず「コマンド・モード」にもどってください。「コマンド・モード」でなら矢印キーでカーソルを移動することができます。
削除する場合は、まず削除するべき文字の上にカーソルをすすめて「x」キーを押してください。入力は再度「入力モード」にもどります。
ほんとうはviを操るためのコマンドはもっとずっとたくさんあるんですが、あえて必要最小限のものだけにしぼってご紹介しました^^
たとえGUIで操作していても使いづらいと感じることはあります。それはもともとUNIXのながれをくむLinux対応ソフトの操作の仕方がWindowsやMacと比べて独特なものが多いためです。(ほらBlenderやGIMPはマウスで操作していても慣れないと使いずらいですよね?^^)
それは標準エディター、「vi」でもいえる事です。
たとえばWindowsのメモ帳に慣れてる人が最初に「vi」を開くといったい何をどうしたらいいのかわからないで途方にくれてしまうでしょう。
確かにviエディターの操作は独特です。でもOSの操作といっしょで慣れれば使いにくくなんかないですし(むしろホームポジションから指を離さずにすべてキー操作だけで操作できるのでマウスより使いやすく感じるほどです^^)覚える必要のある命令だってごくごくわずかです。
ある書類を編集したいと思ったとき--たとえばOpenSimの設定書類であるRegions.iniを編集したいと思ったとき--には、つぎのように命令します。
(ここでは仮にOpenSimをディレクトリ「/usr/local」以下にインストール、展開したとして説明しましょう。
すでにご存知かもしれませんが「Regions.ini」というファイルはデフォールトではbin/Regionsには存在しません。
でも「vi Regions.ini」と命令するとその名前で仮に書類として編集ができるようになります。)
vi /usr/local/opensim/bin/Regions/Regions.ini
「vi」がエディターを立ちあげるコマンドで、あとの部分が編集する書類--GUIでのようにいちいち書類の場所まで行くかわりに、こうやってディレクトリの入れ子表現をずらずらっと名前の前に並べて書きます--です。
最初に下のような画面がひらきます。

一番下に書類の名前がでていて[New File]とあるはずです。
空白の行を見るといきなり文字をいれたくなりますけど、残念ながらこのままでは文字入力はできません。
viエディターは立ち上げた状態では「コマンド・モード」になっているからです。
「コマンド・モード」はすでに作られている書類の修正−−すでに書かれている文のコピーやペースト、削除、置換、移動、そして書類そのものの保存などを行うためのモードです。
文字を書くためには「入力モード」に移行する必要があります。
そのためにはキーボードから「a」とだけ入れます。

すると下に「INSERT」と表示され、カーソルが点滅して文字を書き込むことができるようになります。
文字入力は基本的にメモ帳に書くようにごく普通の入力操作でやります。(注)
書類を作り終わったら、ふたたび「コマンド・モード」にかわります。

そのためには「Esc」キーを押してください。

「コマンド・モード」で書類を保存するために「:」を押します。カーソルが最下段に飛んでコマンド待ちになります。

「w」を押していま制作した書類を保存してください。ついで「q」を押すとエディターは終了します。

「w」と「q」をべつべつに入れるかわりに「wq」としてもだいじょうぶです。
【注】
ターミナルにはLinuxのディストリビューションパッケージとの相性がどうやらあるみたいです。わたしの経験ではDTIで標準のCentOSの場合「入力モード」でも矢印キーでカーソルを移動しBackSpaceやDelキーで削除することもできました。ところが「さくら」にubuntuの場合「入力モード」ではこれらが働きません。
こういう場合はまず「コマンド・モード」にもどってください。「コマンド・モード」でなら矢印キーでカーソルを移動することができます。
削除する場合は、まず削除するべき文字の上にカーソルをすすめて「x」キーを押してください。入力は再度「入力モード」にもどります。
ほんとうはviを操るためのコマンドはもっとずっとたくさんあるんですが、あえて必要最小限のものだけにしぼってご紹介しました^^
2012年03月09日
猿でもわかるLINUX!(その1)
正直言ってさすがに猿にLinuxは無理なんじゃないかなと思います。 というか必要としないでしょ?彼らは、生活上^^
で、まあ人間の−−10歳ぐらいのお子さんならLinuxの入ったパソコンを使わないともかぎりません。ですからそのぐらいの子供にでもわかる、というのをいちおう目安に置いて書いてみようと思います。(でもぜんぶひらがなにひらいたりはしませんよ^^ よみにくいし)
あと、これはレンタルサーバーの操作にからんだ解説なんで、Linuxはもうインストールされている、という前提でいきます。
【注: 基本的にもとちゃはブログを(追加はしても)書き換えないんですけど、この項目に関してはレンタルサーバーの使い方との関連で進めていくつもりなので、あるいはいつのまにか書かれている内容がかわってしまうこともあるかもしれません。お含みおきください^^】
さてふだんGUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース、簡単に言えば「マウスをつかってPCを操るやり方」)に慣れているわたしたちはコマンド画面での操作、つまり直接キーボードからコマンドを打ち込むやり方がすごく不便に感じてしまいます。
そういうのは企業内ネットのシステム管理者みたいなコンピューターの専門家の領域じゃないの?と思ってしまったりもします。
でも考えたら家に自分のパソコンをもって使いこなしてるのなら、すでに立派に「システム管理者」やってるんですよね。
あと、マウス操作するGUIにしたってーーSLのヴューアーのなかでオブジェクトを組み立てたり、PhotoShopで画像処理したりというアプリでのもろにビジュアルな作業を別にしたらーーOSそのものに対する操作ってグラフィック化しないと理解しずらいほど複雑なことやってるわけじゃありません。

フォルダを開き中にあるものを確認したり、見つけた書類を開いて中身を読み、書き換えたり、保存したり、あるいはアプリケーションのアイコンをダブルクリックして立ち上げたり、とその程度ですよね。
つまり
●自分が現在どこにいるかを知る。
●いまいる場所のフォルダや書類、アプリケーションを見る。
●べつの場所に移動する。
●アプリケーションを立ち上げる。書類を編集する。
さらに特別な場合として
●フォルダ、書類をコピーする。
●フォルダ、書類を新しく作る。削除する。
これぐらいの操作さえできればりっぱに用は足りるはずです。
じっさい、これらに相当するコマンド(命令)を知っていればLinuxでオープンシムを立ち上げる作業のたぶん95パーセントはできてしまいます。(残りはごくたまにしか使わないコマンド操作です)。
ということで、まず一番上からいきましょう^^
【自分が現在どこにいるかを知る】

WindowsやMacの階層状に重なった入れ子構造の「フォルダ」をLnuxでは「ディレクトリ」と呼びます。ディレクトリ=フォルダと考えちゃっていいです。
そして自分がどのディレクトリにいるのか?を知るにはただつぎのように打ち込みます。
pwd
するとたとえば
/etc/init.d
みたいにあなたのいる場所をおしえてくれます。このOSからの返答の意味は下のとおりです。
(ただしくはOSではなくOSの上でうごいてる「シェル」というスクリプトからの返答です)
「/」←これはディレクトリの親子関係を示す記号です。
「/」をはさんで前が親、後が子のディレクトリになります。特例として前になにもない「/」は一番上の階層(「ルート・ディレクトリ」と呼ばれます)を意味します。
つまりこの例の場合は「/=ルートディレクトリ」直下の「etc」ディレクトリのさらに下の「init.d」という場所(ディレクトリ)にいます、ということです。
(pwdはprint working directoryの意味です。)
【いまいる場所のフォルダや書類、アプリケーションを見る】
これには
ls
とだけ入れます。すると

たとえばこんな具合にずらずらと中身の(ディレクトリや書類やアプリケーションの)一覧が表示されます。
(lsはlistの略です)
【べつの場所に移動する】

cd [目的地のディレクトリ]
です。たとえば
cd /usr/local/opensim/bin
みたいに使います。あっけなく目的の場所、/usr/local/opensim/binのディレクトリの中に移動しています。
(cdはchange directoryです)
【アプリケーションを立ち上げる。書類を編集する】

いまいるディレクトリに拡張子が*****.exeであるようなアプリケーションがはいっていたら。
./*****.exe
で立ち上がるはずです。ほとんどの場合は^^ (たとえば上の画像の中では./OpenSIm.exeといれていますが、これは説明のためだけのものです。じっさいにはこれではOpenSimはたちあがりません^^)
ちなみに「./」はいまいるディレクトリを示すとくべつな記号です。
おなじディレクトリにいるなら「*****.exe」だけでよさそうに思いますが、それはGUIに慣れているがための錯覚ーーそれだと「そんなコマンドはない」と文句を言われてしまいます。
いっぽうで、このほかにディレクトリに関係なくどこにいても立ち上げることのできるアプリもあります。
たとえば書類を編集するためのLinuxの標準エディター「vi」は
vi *****(書類の名前)
だけであなたがどこにいても立ち上がります。
【フォルダ、書類をコピーする。】

つぎのように入力します。
cp ***** aaaaa
すると「*****」というフォルダ(ディレクトリ)あるいは書類を「aaaaa」という名前でコピーします。
コピーする場所は名前の前にディレクトリをつけて指定しないかぎり同じディレクトリになります。(その場合は同じ名前はつけられません)
(cpは言うまでもなくcopyです)
【フォルダ(あるいは書類)を新しく作る】 (ルート権限--あとで説明します--が必要です!)

フォルダつまりディレクトリを新規に作るときはつぎのように命令します。
mkdir ******
するといまいる場所に*****という名前のディレクトリができます。
(mkdirはmake directoryの略です。)
いっぽう、じつはLinuxには「あたらしく書類をつくる」というコマンドはありません。
そのかわり前にでてきたエディター「vi」を使います。
vi *****
として編集を行い、保存することで、新しい書類「*****」がディレクトリに作られます。
(この「vi」の使い方はまた項目をあらためてやります^^)
【フォルダ(あるいは書類)を削除する】 (ルート権限が必要です)

ディレクトリを削除する場合は
rmdir *****
とだけ命令します。*****ディレクトリが削除されます。
ただ上の場合ディレクトリはなくなりますが中にはいっているものは削除されません。
中身ごとディレクトリを消したいときは
rm -r
といれます。
ふつう書類を削除するときはこちらのコマンド「rm」を使います。
上の例はこのコマンド「rm」に「-r」という「オプション」をつけたものです。
(コマンドにはたいていこういう「オプション」があります。あるコマンドのオプションを知りたかったら後に「--help」という「ヘルプ・オプション」をつけてみてください。さまざまな「オプション」の説明が(英語ですけど)みられるはずです。
ただし何かを削除するときはよーく考えてからにしてください。LinuxはWindowsやMacのようにゴミ箱というものがありません。
いちど削除してしまったものは復活できませんから。
このことに関係して最後にちょっとLinuxを使うとき大事な点にふれておきます。
最初あなたがターミナル(遠く離れたレンタルサーバーをコントロールするリモコンみたいなものです。サーバーを借りるとこの使い方をおしえてもらえます)を立ち上げログインするとまず黒地に白文字でrootとあって四角いマーカーが点滅してるはずです。
「root」っていうのはLinuxでは特別な名前です。いわば王様ですね^^
あなたはいま「王様」--rootとして命令を発しようとしているんです。
でもこの王様、あんまり権限が強すぎるのでうっかり間違った命令をだしたりすると大変なことになります。
このあたり、よく「Windowsはファミレス、Linuxは大人むけのバー」ってたとえられたりします。

つまりファミリーレストランでは注文したあと必ず店員さんがオーダーをもういちど確認しますよね?
「若鶏竜田辛チリ定食、ライス大盛り、ごぼうサラダ付きですね」とか。
そうすると「あ、悪い。ライス特盛りにしてくれる?」とかあとから修正もきくわけです。
これが世慣れた大人たちのかよう馴染みのバーだったりするとそうはいかないです。

ちょっとハードボイルドの主人公を気取ってスツールに半身に腰おろし
「いつものやつ」
とかなんとかあなたは低い声でぼそっと言っちゃうわけです。
そうするとバーテンもまた一言も言わず黙ってあたらしいグラスを取り出してI.W.
ハーバーかなんか注いで、ことりと目の前のカウンターに置いてくれる。無駄なやりとりのない大人の作法ですよね^^
長くなったけどこれがWindowsとLinuxの違いというわけです。
親切にいちいち「削除しますか?」とか確認してくれるWindowsに対してLinuxは無言のうちに情け容赦なくクールに消してしまう。たとえそれがシステムにとって必要不可欠な書類であったとしてもです。
そんなわけで普通、Linuxつかう人はやたらにrootで命令はしません。rootのほかに権限の弱い一般ユーザーをつくって普段はそちらになって作業しています。
だからLinuxを立ち上げてまずやるべきことはrootに代わる一般ユーザーをつくることです。
このための命令は
adduser
です。

たとえば「motoko」というユーザーを新規につくるなら
adduser motoko
といれてください。
これでシステムにmotokoのための場所(ディレクトリ)がつくられます。
でもこれだけではログインはできません。パスワードを設定してあげる必要があります。(自動的にパスワードを聞いてこないところがやっぱりLinuxなんです^^)

でパスワードは
passwd motoko
で設定します。

パスワードはあんまり簡単な単語だと受け付けてもらえません。「その言葉は辞書にあるからだめです!」とかいわれてしまいます。セキュリティにはシビアなのです。Linuxさんは…。

打ち間違えのおこらないよう二度目のパスワード確認をします。

「all authentication tokens updated successfully.」とでればユーザー登録は成功です。^^
さて、この一般ユーザーは権限が弱いので自分のものでない書類を編集したり、あたらしくシステムにアプリケーションをインストールしたり、という作業はできません。
そういう必要にせまられたときは「su」というコマンドをつかいます。(*)
su
このあとにルートとしてのパスワードをいれることで、あなたはまた全能のrootユーザーに変身ができます。
で作業が終わったら
exit
で再度一般ユーザーにもどります。
このあたりが多人数で使うUNIXの流れをくむLinuxの、パーソナルコンピューターむけOSであるWinやMacとはチョット違うところです。
* 注 : 「su」ではなく「sudo」や「sudo su」(^^;を使う場合もあります。「sudo」はスーパーユーザーに変身するというよりはコマンド自体を一般ユーザーが使ってもrootが発したものであるかのように見せかける方法です。したがってコマンドごとにいちいち付け加えなければなりません(たとえば「sudo apt-get isntall」といったぐあい)
それが面倒なときに「su」のかわりにつかうのが「sudo su」です。
またディストリビューションによって(DTI+Ubuntuであったりする)上のコマンドを使っても「su: Authentication failure」などのエラーがでてだめな場合もあります。そういうときは(rootでログインしたうえで)#adduser <ルート権限をあたえたいユーザー名> sudoと入れてみてください。
で、まあ人間の−−10歳ぐらいのお子さんならLinuxの入ったパソコンを使わないともかぎりません。ですからそのぐらいの子供にでもわかる、というのをいちおう目安に置いて書いてみようと思います。(でもぜんぶひらがなにひらいたりはしませんよ^^ よみにくいし)
あと、これはレンタルサーバーの操作にからんだ解説なんで、Linuxはもうインストールされている、という前提でいきます。
【注: 基本的にもとちゃはブログを(追加はしても)書き換えないんですけど、この項目に関してはレンタルサーバーの使い方との関連で進めていくつもりなので、あるいはいつのまにか書かれている内容がかわってしまうこともあるかもしれません。お含みおきください^^】
さてふだんGUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース、簡単に言えば「マウスをつかってPCを操るやり方」)に慣れているわたしたちはコマンド画面での操作、つまり直接キーボードからコマンドを打ち込むやり方がすごく不便に感じてしまいます。
そういうのは企業内ネットのシステム管理者みたいなコンピューターの専門家の領域じゃないの?と思ってしまったりもします。
でも考えたら家に自分のパソコンをもって使いこなしてるのなら、すでに立派に「システム管理者」やってるんですよね。
あと、マウス操作するGUIにしたってーーSLのヴューアーのなかでオブジェクトを組み立てたり、PhotoShopで画像処理したりというアプリでのもろにビジュアルな作業を別にしたらーーOSそのものに対する操作ってグラフィック化しないと理解しずらいほど複雑なことやってるわけじゃありません。

フォルダを開き中にあるものを確認したり、見つけた書類を開いて中身を読み、書き換えたり、保存したり、あるいはアプリケーションのアイコンをダブルクリックして立ち上げたり、とその程度ですよね。
つまり
●自分が現在どこにいるかを知る。
●いまいる場所のフォルダや書類、アプリケーションを見る。
●べつの場所に移動する。
●アプリケーションを立ち上げる。書類を編集する。
さらに特別な場合として
●フォルダ、書類をコピーする。
●フォルダ、書類を新しく作る。削除する。
これぐらいの操作さえできればりっぱに用は足りるはずです。
じっさい、これらに相当するコマンド(命令)を知っていればLinuxでオープンシムを立ち上げる作業のたぶん95パーセントはできてしまいます。(残りはごくたまにしか使わないコマンド操作です)。
ということで、まず一番上からいきましょう^^
【自分が現在どこにいるかを知る】

WindowsやMacの階層状に重なった入れ子構造の「フォルダ」をLnuxでは「ディレクトリ」と呼びます。ディレクトリ=フォルダと考えちゃっていいです。
そして自分がどのディレクトリにいるのか?を知るにはただつぎのように打ち込みます。
pwd
するとたとえば
/etc/init.d
みたいにあなたのいる場所をおしえてくれます。このOSからの返答の意味は下のとおりです。
(ただしくはOSではなくOSの上でうごいてる「シェル」というスクリプトからの返答です)
「/」←これはディレクトリの親子関係を示す記号です。
「/」をはさんで前が親、後が子のディレクトリになります。特例として前になにもない「/」は一番上の階層(「ルート・ディレクトリ」と呼ばれます)を意味します。
つまりこの例の場合は「/=ルートディレクトリ」直下の「etc」ディレクトリのさらに下の「init.d」という場所(ディレクトリ)にいます、ということです。
(pwdはprint working directoryの意味です。)
【いまいる場所のフォルダや書類、アプリケーションを見る】
これには
ls
とだけ入れます。すると

たとえばこんな具合にずらずらと中身の(ディレクトリや書類やアプリケーションの)一覧が表示されます。
(lsはlistの略です)
【べつの場所に移動する】

cd [目的地のディレクトリ]
です。たとえば
cd /usr/local/opensim/bin
みたいに使います。あっけなく目的の場所、/usr/local/opensim/binのディレクトリの中に移動しています。
(cdはchange directoryです)
【アプリケーションを立ち上げる。書類を編集する】

いまいるディレクトリに拡張子が*****.exeであるようなアプリケーションがはいっていたら。
./*****.exe
で立ち上がるはずです。ほとんどの場合は^^ (たとえば上の画像の中では./OpenSIm.exeといれていますが、これは説明のためだけのものです。じっさいにはこれではOpenSimはたちあがりません^^)
ちなみに「./」はいまいるディレクトリを示すとくべつな記号です。
おなじディレクトリにいるなら「*****.exe」だけでよさそうに思いますが、それはGUIに慣れているがための錯覚ーーそれだと「そんなコマンドはない」と文句を言われてしまいます。
いっぽうで、このほかにディレクトリに関係なくどこにいても立ち上げることのできるアプリもあります。
たとえば書類を編集するためのLinuxの標準エディター「vi」は
vi *****(書類の名前)
だけであなたがどこにいても立ち上がります。
【フォルダ、書類をコピーする。】

つぎのように入力します。
cp ***** aaaaa
すると「*****」というフォルダ(ディレクトリ)あるいは書類を「aaaaa」という名前でコピーします。
コピーする場所は名前の前にディレクトリをつけて指定しないかぎり同じディレクトリになります。(その場合は同じ名前はつけられません)
(cpは言うまでもなくcopyです)
【フォルダ(あるいは書類)を新しく作る】 (ルート権限--あとで説明します--が必要です!)

フォルダつまりディレクトリを新規に作るときはつぎのように命令します。
mkdir ******
するといまいる場所に*****という名前のディレクトリができます。
(mkdirはmake directoryの略です。)
いっぽう、じつはLinuxには「あたらしく書類をつくる」というコマンドはありません。
そのかわり前にでてきたエディター「vi」を使います。
vi *****
として編集を行い、保存することで、新しい書類「*****」がディレクトリに作られます。
(この「vi」の使い方はまた項目をあらためてやります^^)
【フォルダ(あるいは書類)を削除する】 (ルート権限が必要です)

ディレクトリを削除する場合は
rmdir *****
とだけ命令します。*****ディレクトリが削除されます。
ただ上の場合ディレクトリはなくなりますが中にはいっているものは削除されません。
中身ごとディレクトリを消したいときは
rm -r
といれます。
ふつう書類を削除するときはこちらのコマンド「rm」を使います。
上の例はこのコマンド「rm」に「-r」という「オプション」をつけたものです。
(コマンドにはたいていこういう「オプション」があります。あるコマンドのオプションを知りたかったら後に「--help」という「ヘルプ・オプション」をつけてみてください。さまざまな「オプション」の説明が(英語ですけど)みられるはずです。
ただし何かを削除するときはよーく考えてからにしてください。LinuxはWindowsやMacのようにゴミ箱というものがありません。
いちど削除してしまったものは復活できませんから。
このことに関係して最後にちょっとLinuxを使うとき大事な点にふれておきます。
最初あなたがターミナル(遠く離れたレンタルサーバーをコントロールするリモコンみたいなものです。サーバーを借りるとこの使い方をおしえてもらえます)を立ち上げログインするとまず黒地に白文字でrootとあって四角いマーカーが点滅してるはずです。
「root」っていうのはLinuxでは特別な名前です。いわば王様ですね^^
あなたはいま「王様」--rootとして命令を発しようとしているんです。
でもこの王様、あんまり権限が強すぎるのでうっかり間違った命令をだしたりすると大変なことになります。
このあたり、よく「Windowsはファミレス、Linuxは大人むけのバー」ってたとえられたりします。

つまりファミリーレストランでは注文したあと必ず店員さんがオーダーをもういちど確認しますよね?
「若鶏竜田辛チリ定食、ライス大盛り、ごぼうサラダ付きですね」とか。
そうすると「あ、悪い。ライス特盛りにしてくれる?」とかあとから修正もきくわけです。
これが世慣れた大人たちのかよう馴染みのバーだったりするとそうはいかないです。

ちょっとハードボイルドの主人公を気取ってスツールに半身に腰おろし
「いつものやつ」
とかなんとかあなたは低い声でぼそっと言っちゃうわけです。
そうするとバーテンもまた一言も言わず黙ってあたらしいグラスを取り出してI.W.
ハーバーかなんか注いで、ことりと目の前のカウンターに置いてくれる。無駄なやりとりのない大人の作法ですよね^^
長くなったけどこれがWindowsとLinuxの違いというわけです。
親切にいちいち「削除しますか?」とか確認してくれるWindowsに対してLinuxは無言のうちに情け容赦なくクールに消してしまう。たとえそれがシステムにとって必要不可欠な書類であったとしてもです。
そんなわけで普通、Linuxつかう人はやたらにrootで命令はしません。rootのほかに権限の弱い一般ユーザーをつくって普段はそちらになって作業しています。
だからLinuxを立ち上げてまずやるべきことはrootに代わる一般ユーザーをつくることです。
このための命令は
adduser
です。

たとえば「motoko」というユーザーを新規につくるなら
adduser motoko
といれてください。
これでシステムにmotokoのための場所(ディレクトリ)がつくられます。
でもこれだけではログインはできません。パスワードを設定してあげる必要があります。(自動的にパスワードを聞いてこないところがやっぱりLinuxなんです^^)

でパスワードは
passwd motoko
で設定します。

パスワードはあんまり簡単な単語だと受け付けてもらえません。「その言葉は辞書にあるからだめです!」とかいわれてしまいます。セキュリティにはシビアなのです。Linuxさんは…。

打ち間違えのおこらないよう二度目のパスワード確認をします。

「all authentication tokens updated successfully.」とでればユーザー登録は成功です。^^
さて、この一般ユーザーは権限が弱いので自分のものでない書類を編集したり、あたらしくシステムにアプリケーションをインストールしたり、という作業はできません。
そういう必要にせまられたときは「su」というコマンドをつかいます。(*)
su
このあとにルートとしてのパスワードをいれることで、あなたはまた全能のrootユーザーに変身ができます。
で作業が終わったら
exit
で再度一般ユーザーにもどります。
このあたりが多人数で使うUNIXの流れをくむLinuxの、パーソナルコンピューターむけOSであるWinやMacとはチョット違うところです。
* 注 : 「su」ではなく「sudo」や「sudo su」(^^;を使う場合もあります。「sudo」はスーパーユーザーに変身するというよりはコマンド自体を一般ユーザーが使ってもrootが発したものであるかのように見せかける方法です。したがってコマンドごとにいちいち付け加えなければなりません(たとえば「sudo apt-get isntall」といったぐあい)
それが面倒なときに「su」のかわりにつかうのが「sudo su」です。
またディストリビューションによって(DTI+Ubuntuであったりする)上のコマンドを使っても「su: Authentication failure」などのエラーがでてだめな場合もあります。そういうときは(rootでログインしたうえで)#adduser <ルート権限をあたえたいユーザー名> sudoと入れてみてください。